木村恭子スペシャルインタビュー

女性の社会進出とともに、25年

外反母趾の母のために歩きやすい靴を、というきっかけでスタートした<ミスキョウコ>。
多くを語ってこなかったデザイナー・木村恭子が今感じること、これからのこと。

25周年を機に、キャンペーンコピーを社内募集

―「靴が変える、わたしを変える」に決定しました。
 ブランド生誕当初、私の母世代である70歳前後の女性をターゲットにしてきましたが、自分自身が当時の母の年齢に近づき、この世代への理解がさらに深まりました。
 同時に、お客さまのお悩みをお伺いする中で、仕事で責任のあるポジションに就かれている40〜50代女性が、きちんと見えて履きやすい靴を潜在的に求めていらっしゃることに気づき、そういったデザインの靴も増やしてまいりました。
 このような経緯から、今まで以上にたくさんの女性の生き方に寄り添えることを願って、コンセプトの絞り込みを協議しました。
 熟練の靴職人の技によって作り出された<ミスキョウコ>の靴が、お悩みのあるお客さまの足にピッタリ合った時、表情だけでなく人生をも変えることを、四半世紀にわたって見てきました。
 快適な靴との出会いが、その方の未来を軽やかに変えてくれますように…。
 「靴が変える、わたしを変える」には、そんな想いが込められています。


靴づくりへの想い、国内生産にこだわる理由

―1995年の阪神淡路大震災がきっかけでした。
 国内最大の靴生産地であった神戸が壊滅的となり、多くの靴業者が国外生産に切り替えました。
 震災復興のお手伝いをする中で、日本の靴職人が持っている技術や繊細なこだわりを改めて痛感しました。
 またその頃、靴への想いを共有できる靴職人に出逢い、震災復興を願い国内生産に戻しました。
 ただ、今の日本の靴職人の高齢化と次世代への技術の伝承は、彼らの喫緊の課題でもあります。
<ミスキョウコ>を知っていただき喜んでいただくことが、日本の靴産業を安定させることにつながると信じています。


靴箱とショッパーに記されている、マザー・テレサの言葉

―30年以上前になりますが、マザー・テレサに会い、直接かけていただいた言葉を、靴箱とショッパーに記しています。
 少しでもこの言葉に近づけていけるように。私の原点となる言葉です。


マザー・テレサに会いに行ったきっかけとは?

―私が中学生のころ母が病気になり、父と看病していました。10年以上の闘病生活が続いた母が亡くなり、まだ若かった私には何とも言えない喪失感がありました。
 そんな折、マザー・テレサが来日されていた時の映像を目にしました。とても遠い存在なのに、なぜか「この人と会って話がしたい、会いに行こう!」と思い立ち、会いに行きました。
 インターネットも普及していない時代。詳しそうな人に話を聞いたり、必要な費用を算段したり。寝る間も惜しんで働き、お金を貯め、英語を習得してからインドに渡りました。


マザーに会える確約などなかったのに、会えた。止まらない涙

―インドではマザーのそばでボランティアスタッフとして従事していましたが、スタッフがマザーと話すことは許されていなくて。でも私はどうしてもお話ししたかったので、一か八かシスターに頼み込んで会うことができました。
 マザーは一見、険しい表情に見えますが、実際にお会いしたら涙が止まらなくなりました。多くの叡智や包容力のようなものを感じたのかもしれません。
 「身近な人を大切にしなさい。そこから平和が始まるから」という言葉も、非常に心に残っています。



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軽やかなチャレンジと実行、その秘訣とは?

―どんな時でも、「人に助けていただいていることに感謝する気持ち」を忘れないことでしょうか。チャレンジをする時、「出来ない」と思うよりは「どうやったらできるかな」と考えるタイプ。すると不思議と助けてくれる人が現れ、どうにか難局を乗り越えてきました。本当に人に恵まれていると感じます。


熱量のあるお礼の言葉に支えられて

―ありがたいことに、「この靴を作ってくれてありがとう」「ブランドを続けてくれてありがとう」「今では<ミスキョウコ>の靴しか履けません」といった熱いお言葉をいただくことが多いです。お客さまに想いが届いていると感じたとき、とても嬉しくなります。


「健康価値創造」を体現する存在として

―25年前とは大きく様変わりした現代のライフスタイルを見つめ直し、自分らしく健康で幸せな生活を送る方を応援するライフスタイル提案型ブランドとして<ウェルビーイング ミスキョウコW-B-M>を立ち上げました。
 お客さまの声に耳を傾ける日々の中、既存のスニーカーブランドでは
<ミスキョウコ>の特徴とする4E幅広設計のスニーカーがほとんどないことが、新しいブランド立ち上げの大きなきっかけとなりました。
 <ミスキョウコ>を運営する株式会社 ASSO INTERNATIONALの企業理念に、「健康価値創造」というミッションがあります。 “歩くことによって生まれる健康だけでなく、健康であるからこそ体験できる楽しさや感動を創造したい”という私たちの想いが込められています。
 <ミスキョウコ>をご愛用いただくお客さまは、知的で好奇心旺盛な、成熟した女性が多いです。
 また、毎日明るく前向きに過ごし、身体やライフスタイルに変化があっても、健康的にお洒落を楽しみたいと思っていらっしゃいます。
 <ミスキョウコ>はこれからも、そのような女性の「健康価値」のために貢献できる靴を作っていきたいと思います。

インタビュアー 小島 智子

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